はちみつが固まる原因は?結晶化したときの戻し方などの対処法
はちみつの基礎知識 2023.08.02

はちみつが固まる原因は?結晶化したときの戻し方などの対処法

はちみつを使おうと思ったら、白く結晶化していたという経験はありませんか?
一度固まったはちみつを柔らかくすることは少し面倒なうえ、風味が落ちているのではないかと心配になる方もいるでしょう。
そこで今回は、はちみつが結晶化してしまう原因や、結晶化したときの対処法についてご紹介します。

目次

なぜはちみつが固まるの?

なぜはちみつは結晶化して固くなってしまうのでしょうか?それには大きく4つの理由があります。
ここでは、はちみつが結晶化して固くなる4つの理由についてご紹介します。

気温の低下や温度差の変化

はちみつは寒ければ寒いほど固まると思われがちですが、実は外気温が15度前後ほどで結晶化がはじまります。冷蔵庫内の温度は3度から6度ほどなので、保管するときは室内がおすすめです。冬場は、室内で保管していても気温が下がることにより結晶化が進んでしまう可能性があります。
加えて、はちみつは環境の温度差が激しいと結晶化してしまうという特徴もあるのです。これには1日の気温の変化が激しい秋や春も当てはまります。また、保管場所を変えることで生じる室温や日差しの変化も、はちみつが固まりやすくなる原因の1つとなっているのです。

花粉やミツロウなどの天然成分

天然のはちみつには、花粉やミツロウが一緒に含まれていることがあります。これらの物質が含まれていることは、天然のはちみつである証しといえますが、結晶の核となり結晶化が進む原因ともなるのです。

振動や衝撃に弱い

はちみつは振動や衝撃に弱いことも、結晶化しやすい理由の1つです。振ったときに空気と混ざり、はちみつのなかに気泡ができることで結晶化が加速してしまいます。
チューブ型のはちみつ容器を使用している方は、「はちみつが出てこない!」と容器を振ることがあるかもしれませんが、それらの振動も結晶化を進ませてしまうのです。

ブドウ糖が多い

はちみつの主な成分であるブドウ糖。実はブドウ糖が多く含まれているほど、より固まりやすくなります。
例えばアカシアやリンゴ、レンゲなどから取れたはちみつはブドウ糖が少なく、結晶化しにくい種類です。
一方で菜種やひまわりなどから取れたはちみつはブドウ糖が多く、他の種類のはちみつと比べると結晶化しやすい特徴があります。

結晶化したはちみつの戻し方

それでは一度結晶化してしまったはちみつは、どのように戻したら良いのでしょうか?
もし、高温のお湯に浸して戻すという考えをお持ちなら、それはNGです。はちみつは急激に温めると、せっかくの栄養素が破壊されてしまう恐れがあります。
結晶化したはちみつの正しい戻し方は、40度程度の湯煎で溶かす方法です。はちみつは高温にすることや一気に加熱することで、栄養素の破壊が進んでしまいます。
時間がかかるため少し面倒かもしれませんが、食べる前に温めのお湯でゆっくり湯煎しましょう。

結晶化を防ぐ、正しいはちみつの保存方法

はちみつが結晶化しにくい保存の方法を知っておくことで、面倒な戻し作業も必要なくなります。
ここでは結晶化を防ぐための、正しいはちみつの保存方法についてご紹介します。

温度が一定の場所

はちみつを保存するうえで大切なポイントとして、適切な温度で保管することだけではなく、温度差がない場所で保管するという点も挙げられます。そこで、なるべく天井に近い戸棚や食器棚に保管するようにしてください。
部屋のなかは天井に近づくほど温度が高くなるため、室内の温度が変化しても影響を受けにくいです。ただし、エアコンの近くは避けましょう。

はちみつをすくうときのスプーンに注意

はちみつは不純物が混ざると結晶化しやすくなるという特徴があります。
チューブ式の容器は振動を与えてしまうため、瓶詰め容器の方が結晶化しにくくておすすめです。
しかし、瓶詰め容器からはちみつをすくうときは、使用するスプーンによく注意してください。
一度はちみつをすくってパンに塗り、もうひとすくいするときに同じスプーンを使用していませんか?スプーンについたパンくずがはちみつの容器に混入してしまうと、結晶化だけではなく風味が落ちる原因となってしまいます。
はちみつをすくうスプーンは、常に清潔なものを使用しましょう。

おわりに

今回は、はちみつが結晶化してしまう原因や、結晶化したときの対処法についてご紹介しました。
はちみつが固まる原因には、気温の低下や温度差の変化、はちみつに含まれる成分などがあります。なんらかの原因ではちみつが結晶化して固くなってしまった場合は、温めのお湯で溶かしましょう。また、はちみつは結晶化させない保存を心がけることが大切です。
結晶化しても品質に問題はありませんが、はちみつの正しい扱い方を学んで、よりおいしくはちみつをいただきましょう。

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