ニュージーランドのマオリ族が薬として用いたはちみつ・マヌカハニーの歴史
マヌカハニーの基礎知識 2023.08.02

ニュージーランドのマオリ族が薬として用いたはちみつ・マヌカハニーの歴史

栄養素の高さと、さまざまな美容ケアにも使用できることから、世界中で大人気のマヌカハニー。かつては、ニュージーランドの原住民族・マオリ族が薬として用いたことでも有名です。
そこで今回は、マヌカハニーがどのような歴史をたどり、人々から長く愛されるはちみつとなったのかご紹介します。

目次

マヌカハニーの歴史

マヌカの木は、ニュージーランドとオーストラリアが分裂し、それぞれの島として独立した8,000万年ほど前に、ニュージーランドに存在していました。
マヌカの木は近隣諸国の植物と混じることなく生息し続け、他の木にはない独自の特徴を維持し続けたのです。

マオリ族による伝統的使用

マオリ族の人々は、マヌカの木が非常に堅いという性質を利用し、大木を切り倒す際のくさびを作成していました。その際に出た葉や樹皮、枝などを煮て蒸気を吸入したり、煮込んだ液を飲用したりすることで、鼻風邪や腹痛を直していたという記録もあるのです。
また、マヌカの葉からオイルを抽出し、うがい薬や目の洗浄液として利用していたことも広く知られています。マオリ族にとってマヌカの木は、健康を維持するために大切なアイテムだったのでしょう。

クック船長のニュージーランド探検

マオリ族の渡来から、長く異国人が訪れていなかったニュージーランド。しかし、大航海時代に突入したことがきっかけで、ジェームスクック船長がニュージーランドへ上陸し、島を詳しく探検しました。
その探検中に、おなかを壊した乗員がいました。ジェームスクック船長が、マヌカやカヌカ(ティーツリー)の葉を発酵させたものを乗員に与えると、すぐに彼らが回復したのです。これがきっかけになり、マヌカやカヌカの木に医療効果があると西洋人へ伝わりました。

ピーターモラン博士による研究

マヌカの持つ力が研究され、その効果が世界的に注目されるようになったのは1982年です。マヌカから取れるはちみつが、がんの原因菌の1つであるピロリ菌を死滅させる、というピーターモラン博士の発表がきっかけとされています。
ピーターモラン博士は、マヌカハニーの成分表示に使われる「UMF」の表示を名付けた方で、その健康活性化パワーを数値化したことでも知られている人物です。ピーターモラン博士の研究成果により、「マヌカハニーは健康促進効果がある」と注目が集まるようになりました。ピーターモラン博士はこの功績を認められ、大英帝国勲章の1つである、MBE賞を受けています。

マヌカハニーの現在

ピーラーモラン博士の作ったUMFの表示方法は、マヌカハニーの販売コントロールを行うUMF協会によって使用・管理されるようになりました。
しかし、UMF協会は、さらなる健康活性度数値の正確化を目指すピーターモラン博士と対立してしまったのです。そのため、ピーターモラン博士はUMF協会を脱退し、新たに「MGS」という表示方法を作ります。
現在では、「UMF」と「MGS」の2つの成分表示方法が使用されていますが、これはニュージーランド政府から認定を受けた、高品質のマヌカハニーの証しです。
マヌカハニーは、数の少ない貴重な木から取れる、希少価値の高いはちみつであり、健康促進効果が高い食品になります。多くの方々から支持を集めている分、偽物が出回っていることも問題視されているのです。そんなときにも「UMF」と「MGS」の成分表示が1つの標識として大いに役に立っています。

おわりに

今回は、ニュージーランドのマオリ族が薬として用いていたマヌカハニーの歴史についてご紹介しました。
マヌカハニーの歴史は古く、マオリ族に薬として使われていました。その後、マヌカハニーの健康成分の研究が行われ、現代では健康食品として世界中の人々に注目されています。
マヌカハニーの歴史を知ることで、人々に長く愛されてきた理由やその効果の高さをおわかりいただけたのではないでしょうか。

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