マヌカハニーを長年愛用?ニュージーランドの先住民・マオリ族について
マヌカハニーの基礎知識 2023.08.02

マヌカハニーを長年愛用?ニュージーランドの先住民・マオリ族について

マオリ族といえば、ラグビーニュージーランド代表チームが試合前に踊る「ハカ」という独特のダンスで有名ですが、実はマヌカハニーと深い関わりがある民族でもあります。
ここでは、ニュージーランドの先住民・マオリ族とマヌカハニーの関係などについてご紹介します。

目次

マオリ族とは?

マオリ族とは、イギリス入植以前からニュージーランドに住んでいる先住民のことで、伝説によると、約1,000年前にポリネシアの島・ハワイキから大型のカヌーでやってきたとされています。
マオリ族は文字の文化を持たないため、古来よりの教えを表す独自の彫刻やアイデンティティーを示すタトゥーなどが発達してきました。特にマオリのタトゥーはファッションの意味合いがなく、通過儀礼として青年期に掘られるもので、非常に神聖なものです。
現在マオリ族の人口は、ニュージーランド全体の15%に当たる約60万人だといわれています。

マオリ族の歴史

伝説の航海者クペがハワイキからニュージーランドにやってきて、ハワイキに再び戻った際にアオテアロア(マオリ語で「白く長い雲がたなびく地」:ニュージーランドの別名)の発見を伝えたことが、マオリ族来航の始まりとされています。アオテアロワは現在のタヒチ周辺だとされており、海洋冒険家によってタヒチからアオテアロワへのカヌー航海が可能だと実証もされました。
10世紀頃までにマオリ族はアオテアロワへ移住し、狩猟採集生活を送り始め、次第に農耕も開始し人口も増えていきます。そして時代は流れ、1840年にニュージーランド全土を植民地支配したイギリスとマオリ族との間にワイタンギ条約が結ばれ、マオリの主権を譲渡しますが、1860年代にはイギリスと戦争を起こします。
その後、ニュージーランドがイギリスから独立を果たすことになったものが、1947年に受諾されたウエストミンスター法です。
第二次大戦後はマオリ族も欧米化が進み、現在ではマオリ語を話す人口が減少しており、徐々にマオリの伝統が失われつつあります。そのため、マオリ語のイマージョン教育や文化の保護活動などの必要性が叫ばれています。

マオリ族とマヌカハニーの関係

マヌカハニーは、ニュージーランドに自生する植物マヌカからとれるはちみつです。
高い栄養価と殺菌作用で健康食品として注目されているマヌカハニーは、マオリ族が薬として使用されていました。
そもそもマヌカとは、マオリ語で「復活の木・癒しの木」という意味を持ちます。薬としてだけではなく、健康を維持するためにマオリ族の中でも重宝されていました。
マオリはニュージーランドに移住して間もない頃に、マヌカの医療的な使い方を覚えたとされています。具体的には、葉や樹皮、若い枝を一緒に煮て、以下のような使い方がされていました。

蒸気を吸引する 鼻風邪対策
液体を患部に塗り込む 肩こりやリウマチ対策
飲む 胃の不調

また、マヌカの新芽をかみ砕いて服用することで赤痢対策にしたり、樹皮を皮膚病に対して局部的に使用したり、多様な使い方があります。その他、葉からとれるマヌカオイルもさまざまなジャンルに応用されており、マヌカハニーは健康食品としての地位を確立しました。
そして今では、マオリの貴重な薬だったマヌカハニーは、製品として海外に輸出され、日本でも入手できるようになりました。

おわりに

今回は、ニュージーランドの先住民・マオリ族と、マオリ族とマヌカハニーの関係についてご紹介しました。
ニュージーランドの先住民・マオリ族は、古来より独特の文化を育んできたニュージーランドの歴史を語るには欠かせない存在です。マオリ族の伝統的な健康食品であり薬であったマヌカハニーは、栄養価が非常に高くさまざまな用途で使用されています。
マオリ族の歴史を感じながら、マヌカハニーを味わってみてはいかがでしょうか。

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