緑色の野菜、白色の野菜に含まれる栄養は?野菜の色に含まれるチカラ
食と健康 2023.07.08

緑色の野菜、白色の野菜に含まれる栄養は?野菜の色に含まれるチカラ

野菜と聞いてまず思い浮かべるのは、緑色の野菜ではないでしょうか。色彩心理において、緑色は精神の安定のほか、体を癒やす働きがあります。また、新鮮さにつながるイメージを持つことから、緑色の野菜はお料理をおいしく見せる存在として欠かせません。
今回は、緑色の野菜に含まれる栄養や有用成分、おすすめの食べ方などついてご紹介します。

目次

緑色の野菜に含まれる成分

緑色の野菜に含まれる成分

緑色の野菜といえば、ほうれんそう、小松菜、ピーマン、ブロッコリーなどがありますね。目にも鮮やかな緑色の野菜を食べると、心も体もリフレッシュして元気が出てきます。
緑色の色素成分には、強い抗酸化作用によるアンチエイジング効果や、生活習慣病予防効果があり、美容と健康の両方に役立ちます。
緑色の野菜に含まれる有用成分(ファイトケミカル)についてご紹介します。

クロロフィル

多くの野菜が緑色をしているのは、クロロフィル(葉緑素)という緑色の色素成分が含まれているからです。クロロフィルは植物が光合成をする時に必要な成分で、植物の免疫機能をつかさどっています。
クロロフィルは強い抗酸化作用を持ち、コレステロール値の上昇抑制や口臭予防にも役立つとされています。緑色が濃い野菜ほどクロロフィルが多く含まれています。

含まれる野菜

ほうれんそう、ピーマン、ブロッコリー、ケール、あしたば、パセリ

おすすめの摂取方法

クロロフィルは加熱しても壊れにくいので、ほうれんそうはゆでておひたしにすれば、かさが減ってたくさん食べられます。
生野菜の場合は、ミキサーで細かく砕いてグリーンスムージーにすれば、吸収が良くなります。

β-カロテン(ベータカロテン)

β-カロテンは、にんじんやかぼちゃなど橙色の野菜に含まれていますが、緑色の野菜にも豊富です。強い抗酸化作用や生活習慣病予防効果のほか、目や皮膚、粘膜などを保護して、肌あれや風邪を防ぎます。クロロフィルと同じく、緑色が濃い野菜ほど、β-カロテンが豊富です。

含まれる野菜

小松菜、春菊、チンゲン菜、空心菜、サニーレタス、ズッキーニ、さやいんげん

おすすめの摂取方法

β-カロテンは、油と一緒に摂ると吸収率が高まります。炒めものやおひたしやサラダにオイルをかけて食べる方法がおすすめです。

白い野菜(淡色野菜)に含まれる成分

白色の野菜に含まれる成分

白菜、大根、セロリ、カリフラワー、たまねぎなどの白い野菜(淡色野菜)は、濃い緑色の野菜とくらべて、β-カロテンなどの栄養素は少なくなります。
でも、抗がん作用や免疫力アップ、殺菌作用など、健康を支える成分は豊富に含まれています。
白い色の野菜に含まれる有用成分(ファイトケミカル)についてご紹介します。

イソチオシアネート

植物の持つ辛味成分です。消化をうながして食欲をアップしてくれるほか、強い殺菌作用があるため、食中毒の予防にも役立ちます。さらに、血栓予防効果があるなど、多様な機能性を持ち合わせています。

含まれる野菜

大根、キャベツ、白菜、もやし

おすすめの摂取方法

イソチオシアネートは加熱しても壊れにくいので、キャベツのスープや白菜鍋など煮込み料理でたっぷりいただきましょう。食欲増進効果を狙うなら、生のまま大根おろしにするのがおすすめです。

フラボノイド

淡黄色の色素成分で、ビタミンPとも呼ばれます。抗酸化作用によるがん予防に加え、コレステロールの抑制にも作用し、生活習慣病の予防に効果を発揮します。

含まれる野菜

カリフラワー、うど、かんきつ類(ゆず、温州みかん)の白い皮

おすすめの摂取方法

フラボノイドは水に溶けやすいため、カリフラワースープやシチューなど汁ごといただくのがいいでしょう。かんきつ類の薄皮や白いスジに多く含まれるので、みかんを食べる時は、これらも一緒に食べるのがおすすめです。

イソフラボン

大豆やひよこ豆など、豆類に多く含まれるフラボノイドの一種です。
女性ホルモンと似た作用があるので、ホルモンバランスを整えて、更年期障害の緩和や乳がんの予防に有効とされます。また、骨粗しょう症の予防や美肌にも効果的で、女性の心強い味方です。

含まれる野菜

大豆、ひよこ豆、アルファルファ

おすすめの摂取方法

大豆からイソフラボンを多く摂るには、豆乳、豆腐、納豆、蒸し大豆など、大豆製品を毎日1回以上食べましょう。

硫化アリル(アリシン)

にんにくやねぎ特有の香り成分で、胃液の分泌をうながし、消化吸収を高める作用があります。
殺菌作用と免疫力アップによる風邪予防や、抗酸化作用によるがん予防も期待できます。
ビタミンB1と一緒に摂れば、疲労回復やストレスの解消に役立ちます。

含まれる野菜

にんにく、たまねぎ、らっきょう、ねぎ、エシャロット

おすすめの摂取方法

ビタミンB1が豊富な豚肉とたまねぎ、にんにくを野菜炒めにすれば、スタミナアップと疲労回復にピッタリの1品に。

水に溶ける性質があるので、オニオンスライスは水にさらさず、切ってから10分ほど置いてから食べると効果的です。

緑色と白い色の野菜でフレッシュメニューを

緑色の野菜は、美しい色のまま食卓に並ぶと、見た目にもおいしそうで食欲がそそられます。ほうれんそうやブロッコリーは、加熱しすぎると色が悪くなるので、さっとゆでて、手早く冷ませば、鮮やかな緑色をキープできます。
ほうれんそうのスクランブルエッグやブロッコリーとエビのサラダなど、黄色や赤色の材料と合わせたビタミンカラーの1品は、朝食にピッタリ。目覚めの悪い朝でもスッキリ目が覚めるかもしれません。
白い色の野菜は、一見地味ですが、緑や赤のカラフルな野菜の色を引き立てて、よりおいしそうに見せてくれます。
カリフラワーを茹でる時は、レモン汁や酢を入れると、きれいな白色に仕上がります。
きゅうりやトマト、パプリカと一緒にサラダにすれば、お弁当の彩りに重宝します。

色の濃い野菜で元気な毎日を

緑色の野菜は強い抗酸化作用を持ち、白色の野菜(淡色野菜)はがん予防に効果的です。
どちらも私たちの健康を守るのに役立ちますが、特に、色の濃い野菜のほうが色素成分は豊富で、高い健康効果が期待できます。
ほうれんそうやピーマン、春菊などの色の濃い野菜は、β-カロテンが豊富で栄養価も高いので、積極的に摂るようにしましょう。
皮の色は濃い緑色をしていても、きゅうりなど淡色野菜に分類されるものもあるので、切っても中まで色の濃い野菜と覚えておいてください。
野菜の色に含まれるチカラを生かして、元気な毎日を過ごしましょう。

コラム一覧へ